天気や地震のしくみ学んで/仙台管区気象台「おてんき・じしん百科展」
2012年8月13日公開
仙台管区気象台(仙台市宮城野区)で11日に開催された「おてんき・じしん百科展2012」
気象台の仕事を広く知ってもらおうと、仙台管区気象台は11日、毎年恒例の一般公開「おてんき・じしん百科展2012」を、仙台市宮城野区にある同台で開催した。夏休み中の子どもたちや家族連れら約300人が、実験や観測装置の見学などを通じて、気象や地震への理解を深めた。
このうち、ペットボトルで「雲」をつくる実験では、水が少量入ったペットボトルに、加圧ポンプで空気をいっぱい入れるよう、同台職員が子どもたちに指示。
ペットボトルで雲をつくる実験のようす
空気を入れるにつれペットボトル内の温度計の数値が上昇したことを確認後、栓を開けて空気を抜いた瞬間、ペットボトル内の温度は下がり、あっという間に真っ白に。
「雲ができた!」と歓声を上げた子どもたちに、職員は「寒い冬に吐く息が白く見えるのと同じように、水蒸気を含んだ空気を急に冷やせば雲ができる」と、雲ができるしくみについて解説していた。
気象台を見学するツアーで同台職員の解説に耳を傾ける参加者ら
気象台を見学するツアーでは、実際に天気予報をつくったり地震や火山を観測している部屋や、雨量計や感雨器などの気象観測装置が案内された。参加者は、職員が作業中の部屋や装置を珍しそうに見て回り、職員らの解説に耳を傾けていた。
このほか、地震の揺れに含まれるP波とS波の特徴をバネを使って確かめる実験や、津波の押し波と引き波が発生するメカニズムを説明する実験などが、子どもたちの人気を集めていた。職員や気象キャスターによるミニ講座もあった。
同台広報係長の佐々木秀樹さん(右)と気象庁マスコットキャラクター「はれるん」(左)
市内から参加した小学3年女子児童は、「いろいろな実験があって、全部おもしろかった。特に雲をつくる実験を、もう一度やってみたい」と笑顔で話していた。同台広報係長の佐々木秀樹さんは「子どもたちの自由研究の参考にもなれば」と話している。
当日のようす
地震の揺れに含まれるP波とS波の特徴をバネを使って確かめる実験
津波の押し波と引き波が発生するメカニズムを説明する実験
気象キャスターの仕事について紹介するミニ講座
降水量を測る「雨量計」の測定方法について解説を受ける参加者ら
天気や地震に関する疑問について同台職員が答えてくれる質問コーナー
動力なしで自噴する「ヘロンの噴水」で水圧と大気圧の関係を学ぶ参加者ら
春から夏にかけて東北地方の太平洋側で吹く冷たく湿った東よりの風「やませ」を再現する実験
太陽の光を当てると風がなくとも上昇気流で風車が回る「太陽風車」の工作コーナー
冷たいと重くなり暖かいと軽くなる水の性質を利用した「ガリレオ温度計」の工作コーナー