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子どもの科学技術教育拠点が東北大に完成、カタールが復興支援

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子どもの科学技術教育拠点が東北大に完成、カタールが復興支援

2015年2月25日公開

 東北大学工学部(仙台市)に、カタール国からの支援で整備した「カタールサイエンスキャンパスホール」が完成し、2月21日、オープニングセレモニーが開かれた。セレモニーには、カタール国や東北大学の関係者、協力団体や児童ら約160人が出席。関係者らによるテープカットが行われた後、カタール国のハリッド・ビン・モハメド・アルアティーヤ外務大臣から、施設の完成を祝って鍵のモチーフの記念品が児童代表に手渡された。

 同大工学部では、カタール国が東日本大震災復興支援のために設立した「カタールフレンド基金」を活用して同大の既存施設を改修し、地域の子どもたちが最先端のものづくりや科学を学べる場として整備。ホールは延べ床面積約650平方メートル。3Dプリンターや5軸マシニングセンタといった機器や、円形の壁に360度映像を投影できる「パノラマスクリーン」などを設置した。2014年7月から、地域の団体と連携して体験型科学教室や工場見学ツアーなどを実施し、県内の小中高生ら延べ1万人以上が参加している。

 セレモニーでは、まず主催者の里見進東北大学総長が、カタール国の支援に対する感謝を述べた後、「学校では体験できない科学実験体験やものづくり体験、世界最先端研究に触れらる機会を通じて、子どもたちが科学やものづくりに興味を持つきっかけを作り、地域への理解と愛着を深め、地域復興や新産業創出を担う科学者や技術者として、将来活躍する日が来ることを願っている」と挨拶した。

 次に、ハリッド・ビン・モハメド・アルアティーヤ外務大臣から「子どもたちは将来発展の鍵。カタールも日本と同様に知識とイノベーションを国家戦略の中心と位置づけている。地域コミュニティの維持に教育が果たす役割は大きい。新しい地域産業を担う次世代の教育者や技術者が育つことを願っている」と祝辞があった。

 続いて、宮城県知事と仙台市長からの祝辞があった後、カタールフレンド基金親善大使で俳優の別所哲也さんが「当たり前と思っていることを見直し向き合うことが、科学の始まりかもしれないし、人間が人間らしく未来を築くためのスタート地点だと思う。同じ志を持つ仲間たちと友情を育み、当たり前に立ち向かって欲しい」とメッセージを送った。

 最後に、児童代表の樋口歩美さん(小学5年生)が「兄弟の部屋に手作りラジオがあり、ぐるぐる巻の導線から、なぜ音が鳴るのか、不思議に思っていた。カタールサイエンスキャンパスで念願だったAMラジオを作成でき、その疑問を聞くこともできた。また、学校にはない電子顕微鏡で昆虫を観察でき、マクロの世界に驚いた。この素晴らしい施設とプログラムは、カタール国からの支援と、協力してくれる企業の支えで成り立っていると知った。この施設を活用して多くのことを学び、社会に役立つ人間になりたい。そして、いつかはカタール国と日本の架け橋になりたい。学都仙台のシンボルとなる東北大学に小中高生が学ぶ場ができたことを嬉しく思っている」と、日本語と流暢な英語でお礼の言葉を述べた。


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