中高生が先生役/科学館で青陵科学部が科学工作教室
2012年12月20日公開
【写真1】15日に開催された「作って遊ぼう with 青陵科学部」のようす=仙台市科学館(仙台市青葉区)
中高生が先生役となる科学工作教室が15日、仙台市科学館で開催された。仙台青陵中等教育学校の科学部員ら10人が、蒸気の力で動く「ポンポン船」の作り方と原理を、親子連れらにわかりやすく教えた。
教室では、まず司会役の科学部員がポンポン船を見せながら「さて、この船はどうやって動くでしょう?ヒントは、炎と水。水を温めると何になるかな?」と質問。児童が「湯気!」と答えると、「台所でも鍋から湯気が出て蓋がカタカタするね。水が炎で蒸気になって、パイプの水を押し出す。押し出した反動で船が進むよ」と説明した。
【写真2】参加者に指導する青陵科学部員ら
続いて、直径2mmのアルミパイプ、ろうそく、ウレタンシートなど身近な素材を使って、全長約10センチのポンポン船を製作。水を入れたパイプをろうそくの火で熱すると、パイプから噴き出す蒸気の力で、船がポッポッとリズムよく進んだ。子どもたちは「進んだ!」と歓声をあげながら、興味深そうに船の動きを観察していた。
「思ったより進むと思った方もいるかもしれません。それが蒸気の力です。熱エネルギーが運動エネルギーに変換されたわけです。水は出たら入ってを繰り返すので、ろうそくの火がつく限り、船はずっと進みます」と科学部員が解説。市内から参加した小学4年生の児童は「自分で船を作って、ポッポと進んだことがおもしろかった」と話していた。
【写真3】自分でつくったポンポン船を実際に試してみる参加者ら
司会役を務めた川島弘之介さん(4年生)は、「幼い子どもを教えるのは想像以上に大変だったが、自分たちも一段階成長できた。お互いに楽しみながら、物だけでなく知識も持ち帰ってもらえるような教室を今後も開きたい」と意気込んでいた。
同部顧問の塗田永美さんは、「大勢の前で発表することで、生徒たちが失敗しながらも成長する機会となった」と手応えを語った。
本イベントを企画した仙台市科学館は、「今日は大成功で良かった。生徒はいつも教わる側だが、教える側の難しさを体験できたと思う。これからも科学好きな子どもたちの意欲や活動をサポートしていきたい」と話している。