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ものづくりの原点を体験して/仙台二華でソニー「分解ワークショップ」

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ものづくりの原点を体験して/仙台二華でソニー「分解ワークショップ」

23日に開催された「分解ワークショップ」=宮城県仙台二華中学校・高等学校(仙台市)

 公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンとソニー株式会社の協働プロジェクト「RESTART JAPAN」は23日、宮城県仙台二華中学校・高等学校で、ソニー社員と一緒に同社製品を分解する科学教育ワークショップ「分解ワークショップ」を開催した(※)。

 ソニー現役エンジニアが"分解博士"として指導しながら、参加者が同社製品の分解を通じて機器の仕組みや工具の使い方などを学ぶもので、同校地学部などの生徒ら約35人がペアとなり、同社製ノートパソコン「VAIO」の分解に挑戦した。

 ワークショップでは、ナビゲーターを務めた元ソニー社員の金子金次さんが、「日本初のテープレコーダーに使用する記録用磁気テープは多賀城の工場でつくられた。今も東北はソニーを支える大切な存在」と同社と東北の関係性について紹介するところからスタート。

「分解ワークショップ」の意図を語る、元ソニー社員の金子金次さん。

 ソニー創業者である井深大さんのものづくりの原点は、幼少期に体験した時計の分解だったという。「井深さんの夢を、今の子どもたちにも体験させてあげたい」。そんな思いから同ワークショップが始まった経緯が話された。

 さらに金子さんは「分解」と「破壊」の違いについて、「分解は元に戻せるが、破壊は元に戻せない。分解の漢字は『分けることで解る』だが、破壊は『破って壊れる』」と述べ、「ぜひ『分解』して発見をしてほしい」と生徒らに語りかけた。

部品の役割を"分解博士"に教わりながら、ノートパソコンを分解する生徒ら。

 いよいよ分解のスタート。まずバッテリーを外した後、生徒らは「分解カルテ」に製品名・型番・シリアルナンバーを記入し、使われているネジの本数を予想。

 ドライバーの使い方やネジの回し方などについて、分解博士から説明を受けた生徒らは、思い思いにネジを探してはパーツを外す「分解」を繰り返していった。生徒らは時折、「こんなところにネジがあった!」「やった!パーツがとれた!」と歓声をあげながら、まるでパズルゲームのようなネジ探しとパーツ外しに真剣な面持ちで取り組んだ。

分解した部品を用いて、液晶ディスプレイの仕組みを解説する分解博士。

 分解された部品は顕微鏡で構造を確認したり、部品の役割を分解博士に教わった。液晶ディスプレイなどの構造も、分解した部品を用いながら解説された。普段なかなか見る機会の少ない機械の仕組みに、生徒らは感心した様子だった。

 作業を終えた生徒らは、分解の過程で気になったことやアイディアを分解カルテに記入。ワークショップで分解された部品は、資源リサイクル利用のため、分別・回収された。最後に、金子さんから生徒一人ひとりに「分解博士ジュニア認定証」が手渡された。

金子さんから生徒一人ひとりに「分解博士ジュニア認定証」が手渡された。

 金子さんは「分解する前と後では、皆さんの目の輝き方が違った。機械の仕組みを知ることは如何に楽しいか、気づいてくれたのでは。今回の経験を今後に役立ててほしい」と生徒らを激励した。

 参加した生徒は「普段目にすることのできない機械の内側が、どんな仕組みでできているかがわかった。特に感動したのは、液晶ディスプレイの仕組みとネジの多さ。実際のネジの本数は予想を大きく上回ったが、大変良い経験になった」と話していた。

※ 本ワークショップは、科学の結果だけでなくプロセスを五感で感じられる科学イベント『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ2012』において、「RESTART JAPAN賞(公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン,ソニー株式会社)」を受賞した宮城県仙台二華高等学校地学部へのAWARD副賞として開催されたものです。


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