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次世代放射光施設キックオフ 仙台で国際フォーラム開催

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次世代放射光施設キックオフ 仙台で国際フォーラム開催

2019年04月25日公開

海外の放射光施設の所長らを招いて4月21日に仙台市内のホテルで開催されたサミットのようす

 東北大学の青葉山新キャンパス(仙台市)に建設が進められている「次世代放射光施設」のキックオフイベントとして、東北大学は国内の主要大学・研究機関や海外の放射光施設の所長らを招いた国際フォーラムを4月21日から23日の3日間、仙台市内で開催した。

 次世代放射光施設は、太陽の10億倍の明るさでナノ(10億分の1メートル。原子や分子の大きさ)の世界を見ることができる光で、物質の機能を見える化できる"巨大な顕微鏡"。施設は2023年度に完成予定で、官民と学術界、地域が一体となって整備・運営を行う。稼働後は、同施設を中核に産学の研究開発施設が集積する「リサーチコンプレックス」の形成を目指す。

官民と学術界、地域が一体となって整備・運営する次世代放射光施設。海外の放射光施設とも連携していくことで一致した。

 国際フォーラムに先立って21日に仙台市内のホテルで開催されたサミットでは、東北大学の大野英男総長らによる挨拶の後、海外の放射光施設の所長らに対して日本の関係者らから次世代放射光施設計画の近況報告などがあり、活気あるリサーチコンプレックスの形成に向けて世界の放射光施設と連携していくことで一致した。サミット開催後は祝宴「次世代放射光施設キックオフの夕べ」も開かれ、関係者らが次世代放射光施設に対する期待を語り合った。


関係者インタビュー「放射光と次世代への期待」

― 「宮城の新聞」読者の中学生や高校生にむけて、次世代放射光施設関係者の皆様から、一言ずつメッセージをお願いします。

◆ 世界中の人と産業が集積する場で活躍を
/東北大学 総長 大野 英男さん

 次世代放射光施設がここ宮城県仙台市にできることになり、今日ご覧いただいたように、世界中の人、そして産業がこの地に集積します。ここで勉強したり、活躍できたりすると、世界にアクセスできる仕事ができますから、ぜひ東北大学に来てください。


◆ 中高生の将来にとっても非常に有用な施設
/宮城県 副知事 遠藤 信哉さん

 宮城県にできる次世代放射光施設は、中高生の皆さんの将来にとっても、それは学習の意味でも仕事の意味でも、間違いなく大変有用な施設となります。ぜひ積極的に放射光に興味を持ってください。


◆ 次世代放射光施設を動かす若い力に期待
/仙台市長 郡 和子さん

 2023年度、次世代放射光施設が仙台で動き出します。この施設を核としたリサーチコンプレックスの形成に向けて行政としてもしっかりと取り組んでまいります。新たな研究や製品、商品の開発に意欲ある若い方々が次々と登場し、施設を動かす大きな力となっていただけることを期待しております。


◆ 将来はプロジェクトの担い手に
/東北経済連合会 会長 海輪 誠さん

 次世代放射光施設はまさしく次世代のためにあるもので、日本の科学技術を発展させる大変素晴らしいプロジェクトだと思います。中高生の方々にも、この施設で得られる新しい知見や成果をよく見ていただき、ぜひ勉強いただいて、将来はこのプロジェクトを担う道に進んでいただければありがたいと思います。


◆ 新しいツールの登場が新しい科学の世界を拓く
/産業技術総合研究所 理事長 中鉢 良治さん

 昔、顕微鏡の登場によって細胞のことがわかったように、新たなツールによってこれまで知らなかったことがわかることは、大変なことだと思います。放射光という新たなツールでもって科学の新しい世界が拓けるのではないでしょうか。それは皆さんの知的好奇心をさらに広げるものとなるでしょう。


◆ 世界中から人が集まり、科学関連産業を盛り上げる基地に
/自然科学研究機構分子科学研究所 所長 川合 眞紀さん

 これまでも仙台は我が国の中で学問の中核拠点のひとつですが、次世代放射光施設ができることで、さらに海外から多くの方が集まり、世界中で科学に関連する産業を盛り上げていく基地になると思います。大学生がその中心にはなりますが、中高生の皆さんも、一流の先生方や学生たちと接する機会が増えると思いますので、ぜひ東北大学の青葉山新キャンパスまで遊びに来てください。


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