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『東北society 5.0』を考える/東北活性研が産学官連携フォーラム開催

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『東北society 5.0』を考える/東北活性研が産学官連携フォーラム開催

2018年2月23日公開

【写真】2月22日に仙台市内の会場で開催された産学官連携フォーラム「『東北society 5.0』を考える」のようす

 東北活性化研究センター(以下、東北活性研)は、産業技術総合研究所東北センターと東北大学との共催で、「『東北society 5.0』を考える」と題した産学官連携フォーラムを2月22日、TKPガーデンシティ仙台(仙台市)で開催し、産学官金から約100人の関係者が参加した。

 「Society 5.0」は、IoT(Internet of Things)や人工知能(AI)等の新しい技術を活用し、一人一人のニーズに合わせる形で社会的課題を解決する新しい社会をつくる構想のことで、日本政府がその実現を進めている。同フォーラムは、「Society 5.0」の鍵となる先端技術の動向を紹介することで、地域経済や地域社会がどのように変容していくかを考える機会を提供しようと開催された。主催者挨拶に立った東北活性研会長の海輪誠さんは「本フォーラムをきっかけに、新しい技術に対する興味を高め、東北未来創生へ導く示唆を与えるとともに、連携の輪を広げていただき、2018年が『東北society 5.0』の実現にむけたスタートの年となることを祈念する」と挨拶した。

【写真】パネルディスカッションのようす

 続けて、産総研人工知能研究センター長の辻井潤一さんが「人工知能の社会実装とSociety 5.0 ~東北版Society 5.0の可能性を探る~」、東北大学未来科学技術共同研究センター長の長谷川史彦さんが「近未来技術による地方創生 ~次世代移動体システム~」、日本電気の高木秀和さんが「デジタルが拓く持続可能な都市づくり」と題し、それぞれ基調講演を行った。その後、行われたパネルディスカッションでは基調講演者3人が登壇し、東北活性研常務理事の木村研一さんが進行役を務め、新しい技術を如何に地域に根付かせるかや、今後の人材育成について意見交換が行われた。パネラーからは「AI化が目的ではなく、AIによってどんな課題を解決するかが大切だ」「実際に課題を抱える人との対話により、課題を"見える化"することが重要」「東日本大震災で本当に必要なものは何かを経験したことが東北の強みになるのではないか」といった意見や「変化の激しい社会では、自ら提案し前に進める積極的な人材が求められている」といった指摘があった。

 最後に閉会の挨拶として東北大学理事の矢島敬雅さんが「"課題先進国"であるピンチをチャンスと捉え、地域の産学官金が協力し合うことで取り組んでいきたい」と述べた。


主催者インタビュー

◆ 30年後の社会を想像し、便利で快適な社会づくりにチャレンジしてほしい
 /(公財)東北活性化研究センター会長 海輪 誠さん

― 本日のフォーラムを踏まえ、中高生にむけて、一言メッセージをお願いします。

 20年後、30年後、自分や家族の生活や社会がどうなっているかを想像してみてください。ますます若い人の数が減り、高齢者が増える社会では、今までのように少数の若い人で大勢の高齢者を支え切れなくなるため、何かの力を借りる必要があります。例えば、高齢者の外出を車の自動運転が助けたり、介護ロボットで手助けしたり。あるいは、時間が空いている人と忙しい人の情報を集めてマッチングし、お互いに助け合う社会をつくったり。その時の決め手となるのが、AIやIoT等の日進月歩の新技術です。その進歩を支える主役は若い皆さん方です。高齢化社会でも誰もが自立的に活き活きと生活できる、便利で快適な地域社会づくりに、ぜひ一緒にチャレンジしていきましょう。


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